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【ハイキュー‼×SVリーグ】東京GB戸嵜嵩大は難病を乗り越え、憧れの柳田将洋と同じプロに 迷いを振り払った及川徹の言葉とは? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 しかし成長期が落ち着いたことで、すべり症の症状が治まり、再び体を動かす選択肢ができた。

「その頃、中学の顧問の先生と一緒に、柳田(将洋)さんが出ている春高バレーの試合を観に行ったんです。そのプレーを見て『柳田さんのようになりたい』と思いました。

 高校を受験するにあたって、両親に駒澤大学高校を勧められたんですが、駒澤大学高校のバレー部は柳田さんがいた東洋高校とフルセットを戦ったことがあると聞いて。それで進学したあとは、長くできなかった『歩く、走る、跳ぶ』という当たり前のことができることに感謝しました。練習は中学の時よりも厳しかったですけど、ジャンプは前よりも高く感じましたし、苦はなかったです」

 厳しい運命が彼を強くした。

 高校ではキャプテンも務め、駒澤大学に進学後は全日本インカレでベスト8進出に貢献。2018年に東レアローズ(現・東レアローズ静岡)に入団したが、プロ選手としてプレーすることを希望するようになり、2020年にVC長野トライデンツとプロ契約を交わした。

 その後、海外でのプレーも志し、インドネシアで初の日本人選手として足跡を記した。そして現在は、東京グレートベアーズで若い選手たちを啓発しつつ、バレー人生と対峙している。

「柳田さんのスパイクは何度も見てきたので、フォームは自然と似てきたかもしれません。でも、憧れで寄せすぎてもいけないので、自分を見失わないようにしないといけないですね」

 憧れだった柳田とは今やチームメイト。それも、彼の運命だ。

【戸嵜が語る『ハイキュー‼』の魅力】

――作品の魅力とは?

「現実離れしすぎていないところですかね。戦術など、学生時代にはわからなかったことも細かく描かれています。もっと早く読んでおけばよかったです(笑)」

――共感、学んだことは?

「稲荷崎戦で西谷(夕)がサーブで崩された時に、ベンチの木下(久志)が『西谷 前ッ』と声をかけたことで、西谷が一歩前に出てオーバーで返した。そのあとに木下を指差してガッツポーズするシーンがあるんですが、これは、木下が練習で、西谷の苦手なジャンプフローターサーブを打ち続けていたことが背景にありました。自分も常にスタメンで活躍したい気持ちはありますけど、『活躍の場はどこにでもあるし、出られなくても腐っちゃダメだな』と思いました」

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