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【ハイキュー‼×SVリーグ】岡山シーガルズ金田修佳が、古賀紗理那を見て感じた自分の「平凡」さ「だから下を向いている暇はない」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 その結果、中学3年で日本一に輝いた。小学校でも日本一になっていたが、選手としてひと皮むけたうえでつかみ取った栄光だ。本能だけでなく、理性の戦いもできるようになった彼女は、大阪国際滝井高校(現・大阪国際高校)でも春高バレーで準優勝を経験している。

 2015年に岡山に入団し、2019-20シーズンにはVリーグ(現行のSVリーグ)優勝決定戦に進んだ。その成長が、日本代表入りにもつながった。当時の感覚は、プレーするうえでのひとつの道標だ。

「『100%を出さないのはもったいない』という思いが力として出たのが、準優勝したシーズンでした。自分たちは自信を持って、シーガルズの"つなぎのバレー"をやってきました。それを出せなかったら、教えてもらっていることも、今までやったことも無駄になっちゃう。それは失礼だし情けない。今後もちゃんとバレーに向き合って、やりきりたいですね」

 それは、岡山でプレーして10年目の決意表明とも言える。今季は開幕前に、大きな変化があった。中学1年の時からセッターとスパイカーの関係で、「自分の前を進む存在」だった宮下遥が現役を退いたのだ。

「(宮下)遥さんが同じコートからいなくなるのが考えられなかったです。中1から15年間、大半のバレー人生、遥さんがずっとそばにいてくれたので。プレッシャーもあるなか、遥さんが私を信じてトスを上げ続けてくれた。その思いを感じながら、ずっとやってきたので......」

 しかし、下を向いてはいられない。今シーズンは同期の宇賀神みずきと共に初のキャプテンに就任した。

「個性豊かな後輩たちが、自分をキャプテンにさせてくれると思います。大変ですけど、プレッシャーも楽しむバレーをしたいです!」

彼女は明るく笑って、上を向いた。 

【金田が語る『ハイキュー‼︎』の魅力】

――『ハイキュー‼︎』、作品の魅力とは?

「バレーボーラーとして熱くなれるところですね。みんなバレーに夢中だなって。主人公は日向翔陽と影山飛雄ですが、個人的に思っているハイキューのよさは、すべてのキャラクターが主人公になっているところ。バレーは誰にでもスポットが当たるスポーツなので」

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