石川祐希、髙橋藍が合流の日本男子バレー ネーションズリーグで激化するパリ五輪メンバー争い (2ページ目)
迎えた第2週の初戦(6月4日)ではイランと対戦。試合後に「最高の雰囲気でプレーできた」と語った主将の石川は、豪快なバックアタックに加え、鋭いサービスエースを突き刺すなどチーム最多14得点をマーク。「まだまだ試合勘が戻っていない」と振り返るも、24年度の代表活動スタートの挨拶がわりとして十分なパフォーマンスを見せた。
一方の髙橋も「攻撃では常に高さを意識しながら、ブロックの指先を狙ったり、シャットされないことを気をつけた」と巧みなアタックを繰り出し、こちらも14得点。イタリアで揉まれてきた経験を日本代表でも発揮した。
【レベルが高いパリ五輪メンバー争い】
その後も両エースは存在感を発揮したが、第2週で光ったのは彼らだけではない。オポジットの西田有志は、フルセットにもつれたドイツ戦(6月5日)で石川と並ぶ21得点、最後のスロベニア戦(同8日)では4本のサービスエースを含む26得点と大活躍。いずれもチーム最多の数字だった。特にドイツ戦では、石川のパフォーマンスがやや低調だっただけに、より西田のプレーは頼もしかった。
「(石川と髙橋が)すばらしい選手であることは言うまでもないですし、ふたりが苦しくなった時に僕が助けられる存在として、その先頭を走っていけたらいいなと思います。今の日本代表はふたりだけのチームではない。試合に臨むメンバーの全員が、日本バレーボール界におけるトッププレーヤーだと思うので、その存在価値をもっともっと見出せるようになっていかなければと考えています」
そう語る西田の言葉からは、日の丸をつけて戦う者の責任とプライドが滲み出ていた。
同時に、パリ五輪のメンバー選考という点において、各ポジションで激しい火花が散った。リベロは小川智大と山本智大が日替わりで起用され、ともに猛烈アピール。ドイツ戦では山本がノータッチも含めてサービスエースを許す場面もあったが、石川や髙橋らが合流して間もないことを考慮すれば、連係面は改善の余地もあるためそこまで問題ないだろう。
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