パリ五輪出場に向け最終局面の女子バレー日本代表 主将・古賀紗理那、35歳のママさんセッターらがカギ (3ページ目)
アタッカーでいえば、セッター対角に入る林琴奈は攻守で安定感を誇り、怪我から復帰したミドルブロッカーの荒木彩花も高さとパワーを活かしたクイックがアクセントになっている。その攻撃陣の力を引き出しているのが、35歳のベテランセッター岩崎こよみだ。
前回の東京五輪に向けた日本代表にも名前を連ねたが、最終的には落選。その後、出産を経て復帰すると昨年はアジア競技大会に出場。今年はA代表に抜擢され、今大会では落ち着きあるプレーが光る。チームの求めていたピースが、ここにきてぴったりとはまった印象だ。
岩崎にサーブ順が回る、いわゆるS1ローテーションでのブレイク率が高いのもチームにとっては好材料。もっとも、サーブは眞鍋監督体制になって強化してきたポイント。中でも、ミドルブロッカーの山田二千華はブロックはもちろんだが、効果的なサーブで流れを引き寄せる。
ミドルブロッカーは荒木、山田に加え、渡邊彩や宮部藍梨が控えており、パリ五輪出場が決まればメンバーを争うことになる。それはリベロも同様で、ここまでは小島満菜美と福留慧美が併用されているが、五輪本番となれば守護神の座はひとつ。今大会でのパフォーマンスに、選手個々の命運もかかっている。
チームとしてはサーブとディフェンス、さらにサーブレシーブでAパス(セッターが動かずトスが上げられる位置へのパス)を返してからのアタック効果率が強化ポイントであることは変わらない。加えて、「20点目以降の勝負どころにおけるパフォーマンスを向上させること」(眞鍋監督)は、勝敗を大きく左右する。その点において、第2週のブラジル戦や、最終セットで最大8点差をひっくり返したドミニカ共和国戦など根気強くセットを取りきるシーンは増えている。
今年の活動を始動させるにあたって、古賀が強調したのは「個々の力を結集させて、チームとして戦っていきたい」ということ。福岡の地でより一丸となって、パリ行きの切符を掴みたい。
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