福澤達哉が春高バレーで感じた「勝てるチーム」の変化。代表入りも期待の207cmミドルブロッカーなど注目選手も語った (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

【2023年大会で注目した選手】

――今大会で、福澤さんが注目した選手はいますか?

福澤:スケール的には、東山の麻野堅斗選手(3年/207cm)ですね。左利きの長身ミドルブロッカーで、昨年に比べて機動力も上がっていました。セッターも、それを生かすためにⅮクイック(セッターの背中側に長く速いトスを上げる速攻)を多用していた。東山でいうと、2年生エースの尾藤選手も完成度が高かったです。

 先ほど名前を挙げた駿台学園の亀岡選手も、「うまいな」と何度も思いました。彼はバランサーのような存在で、パスができてリバウンドも取れて、ブロックアウトもしっかり取れる。アタッカーとしては少し身長は低いかもしれませんが、スパイクの打ち分けもできていましたし、今の日本代表のスタイルのようなバレーをやっていましたね。

――セッターはいかがでしたか?

福澤:駿台学園の吉田竜也選手(3年/170cm)ですね。彼はスキル面も伸びしろがありますが、セッターの"マインド"のような部分が特に優れているように感じました。おそらく梅川監督の指導もあって、常に組み立てを意識しているんでしょう。相手のブロッカーの位置をしっかり把握していて、エースを使うポイントもよかったです。試合をトータルで見ても非常に高度な組み立てをしていて、エースを効果的に使うための布石も上手に打っていました。

 あと、これは全体的な印象として、私たちが高校生の頃と圧倒的に違うのはパイプ(センターからの速いバックアタック)が当たり前になっているところ。以前は、バックアタックは単にエースに打たせるための攻撃でしかなかったのが、コンビネーションの中で使うようになっています。東山の松永理生監督もよく口にしている、「立体的にどれだけ攻撃できるか」という点を高校生の時点で意識してやっているところがすごい。攻撃の選択肢がひとつ増えると、それだけセッターも頭を使わないといけませんから、そういった点も総じて進化してきているんでしょうね。

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