川合俊一会長は今年度のバレー日本代表をどう見たか。女子は新戦力に驚きと期待。男子は安定感が増してミドルも「いい感じ」 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 松永光希●撮影 photo by Matsunaga Koki

――日本代表の人気と、Vリーグの人気に差があることも課題とされてきましたが、そこはどう考えていますか?

「すごく人気がある選手が海外に行ってしまうこともあるし、まだ大学生でVリーグに出ている選手が少ないことも影響しているでしょうね。あとは、野球などのようにそれぞれのチームがどれだけ地域に根ざせるか。Vリーグは基本、企業のチームなので、時間はかかるでしょうね。

 ひとつの解決策として、人気選手が海外に行かなくてもいいようなリーグにしたらいいんじゃないか、と個人的には思います。方法はVリーグ機構の方とも話しながら探っていく必要がありますが、イタリアのセリエAと同等ぐらいのレベルになれば、当然『日本にいたほうがいい』となりますよね。

 野球やサッカーはすでに各地域でファンがついていて、どんな選手がいても応援する体制ができています。だから、そこにすごい選手がきた時にはもっと盛り上がる。だけどバレーは選手個人の人気によるところが大きくて、そういう選手がいるチームの試合には観客が集まります。それなら、人気があるトップ選手がプレーしたくなるようなリーグにすればいいんじゃないかと。僕はVリーグ機構の人間ではないので、あくまで個人的に考えていることですけどね」

――男女の日本代表について、今年度の戦いで見えた成長と課題を教えてください

「男子に関しては、昨年の東京五輪でもすごくいい試合をしていましたし、それは継続されていますね。今年はより自信をつけたのか、安定感がある。負けてしまった試合もワンサイドゲームで圧倒されることがないですし、見ていて気持ちがいいです。

 選手個人のことでは、ずっと西田有志が試合に出ていることが気になります。彼は自分より20cmくらい高さがある相手と戦っている。ジャンプも毎回高く跳ばないといけないですし、本来であれば3連戦とかは絶対無理。そんな西田、キャプテンの石川祐希もそうですが、代わりを任せられる選手が必要ですね。

 楽しみなこともあって、今は学生でも2mクラスの選手が何人かいるんです。彼らをしっかりと強化して、2年後のパリ五輪で活躍できるようになったらいいですね。チームが強くなる時は決まって、若い選手が大活躍するもの。2人ぐらいそういう選手が出てきたらものすごく面白いチームになると思います」

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