木村沙織が東京五輪で注目する「後輩」たち。「打ち切る能力がすごい」と期待するアタッカーは? (3ページ目)

  • Text by Sportiva

――そこでもプレーをご覧になった、東京五輪メンバーで特に注目している選手はいますか?

「もちろん全員ですけど、(荒木)絵里香さんは高校時代から一緒にやってきた選手なので、応援に力が入ります。結婚と出産を経験して復帰し、このタイミングで2度目のキャプテンを引き受けるという覚悟がすごい。何よりバレーが大好きな先輩ですから、東京五輪も思い切り楽しんでほしいです。

(古賀)紗理那も、苦しい経験を経て頼もしい選手になったな、と思います。リオ五輪でメンバーに残れなかった時は、私も自分のことのように悲しかった。それを乗り越えてきた自信なのか、今は表情も違いますし、覚悟が決まっていることを感じます。好調を維持して活躍してもらいたいですね」

東京五輪で活躍が期待される石川真佑(左)と黒後愛(右)photo by Sakamoto Kiyoshi東京五輪で活躍が期待される石川真佑(左)と黒後愛(右)photo by Sakamoto Kiyoshiこの記事に関連する写真を見る――東レと高校の後輩でもある、黒後愛選手と石川真佑選手のことはどう見ていますか?

「2人に共通しているのは、チームが苦しかった時の二段トス、高く上がってくるトスを打ち切る能力が高いこと。それは下北沢成徳のスタイルで磨かれたんだと思います。現在の高校バレーは、速い平行トスを多用するチームが多くなってきましたが、下北沢成徳は私たちの時代と変わらないオープンバレーを貫いています。まるで『高身長の選手が揃ったロシアかな?』と思うくらいに(笑)。

 身長やプレースタイルに関わらず、同じように高いトスを打つスタイルについて、私が高校生の時は『なんでいろんなトスを使わないんだろう』と思うこともありました。ですが、そういうトスを打ち切ることを3年間続けると、レシーブが乱された時にトスが上がってきても『決めにいこう』と思えるようになるんです。特に真佑ちゃんは身長がそんなに高くない(174cm)ですが、試合の終盤になっても得点力が落ちないのは、高校での経験が活きているんだと思います」

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