「奇跡のチーム」で史上初の高校6冠。石川祐希が最後の春高で見せた輝き (4ページ目)

  • 高井みわ●取材・文 text by Takai Miwa
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 最後の春高で星城の6冠を阻むために、他校の石川へのマークも一段と厳しかった。しかし、そんなプレッシャーを感じさせない安定したプレーを続け、勝負どころでもしっかり得点を重ねてチームを鼓舞。強靭なメンタル、リーダーシップを兼ね備えた"超高校級"のオールラウンダーが、日本代表や海外の強豪チームなどで活躍する未来を予感させる大会だった。

 中央大学に進学した石川は日本代表入りを果たし、2014年のアジア大会に出場した。翌2015年にはワールドカップに出場して、チーム最年少ながら大活躍。石川や、現在の日本代表の主将・柳田将洋ら若手4選手は「NEXT4」と命名され、低迷していた男子バレー界に一大旋風を巻き起こした。

 大学卒業後、石川はVリーグに所属せず、プロ選手として海外で活動する道を選ぶ。日本代表の中心選手に成長し、昨年のワールドカップでは大会史上最多の8勝、28年ぶりの4位に貢献した。あの春高から7年後となる2021年。東京五輪が無事に開催され、石川が観る者を魅了するプレーを見せてくれることを願ってやまない。

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