2020.01.06

女子バレー古賀紗理那の「得点力」が
東京五輪メダル獲得のカギだ

  • 高井みわ●取材・文 text by Takai Miwa
  • 黒羽白●撮影 Kurobane Shiro

東京オリンピックで輝け!
最注目のヒーロー&ヒロイン 
バレー 古賀紗理那 編

「今シーズンは得点にフォーカスして戦いたい」

 今季のVリーグ(V.LEAGUE)女子が開幕して間もない10月下旬、古賀紗理那は試合後の記者会見の席でそう話した。

VリーグのNECで復調を期す古賀 所属するNECレッドロケッツでも、日本代表でも「ポイントゲッターとして戦うこと」が自身の役割であることは、古賀本人がいちばんよく知っている。エースとしての得点力に加え、サーブからのブレイク力もチームになくてはならない存在だ。

 古賀は中学生時代からオリンピック有望選手に選ばれ、高校時代にはユース代表に選出。アジアユース選手権の優勝に大きく貢献してMVPを獲得するなど、将来を嘱望され、期待され続けてきた選手である。「木村沙織2世」と呼ばれた時期もあったが、これまでは好不調の波に苦しんできた。

 2015年に初出場したワールドカップでは期待を上回る大活躍を見せた。ベストスコアラーランキング5位、ベストサーバー部門4位といった攻撃面だけでなく、ベストレシーバー部門でもトップを飾るなど攻守で存在感を示し、目標とする木村を彷彿とさせた。ところが、翌年のリオ五輪最終予選と、続くワールドグランプリで不調が続き、リオ五輪の代表から外れてしまう。当時の古賀は明るさがなくなり、取材でも言葉少なであったことを覚えている。

 しかし国内では、それを払拭するように2016-17シーズンのVリーグで奮起。NECを2年ぶりの優勝に導くと、古賀自身もMVPを獲得。2017年には”中田久美ジャパン”がスタートし、中田監督も「古賀はちょっと教えたら、すぐにできるようになる」とその器用さに目を細め、期待を寄せていた。

 その年は膝の不調のため、ワールドグランドチャンピオンズカップ(グラチャン)に出場できなかったものの、翌2018年の世界選手権では再び輝きを放った。5歳年上の石井優希、2歳年下の黒後愛とともにエースとしての自覚を感じさせるプレーを見せ、チームの勝利に貢献。ベストスコアラー5位、ベストレシーバー4位と個人成績も申し分なかった。

 今度こそ古賀が日本のエースになる。そうファンが期待するなかで迎えた昨年のワールドカップだったが、またも精彩を欠いてしまう。勢いのあるプレーは影を潜め、守備面でも突出した活躍がないまま大会を終えた。同じアウトサイドヒッターの黒後も故障で出番が少なく、急遽代表に呼ばれた19歳の石川真佑が強豪国との対戦で出場し、古賀が格下のチーム相手にスタメンで起用されるという逆転現象も起こった。