意識に変化。石川祐希が語るイタリアでのプロの道を選んだワケ

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 全日本男子バレーチームのエース・石川祐希がコートに帰ってきた。今年最初の国際大会であるネーションズリーグはコンディション不良のため参加を見送ったが、2カ月ほど体作りに集中し、韓国との親善試合(7月28日、29日)に出場。第1戦ではチームトップの16得点を挙げるなど、2連勝に大きく貢献した。

 今年3月、中央大学を卒業してプロ選手として活動していくことを発表し、今年はイタリア1部リーグ(セリエA)に昇格したばかりのシエナでプレーする石川。プロ選手としての覚悟、今後の全日本での意気込みについて直撃した。

全日本への復帰戦となる韓国との親善試合で活躍した石川祐希全日本への復帰戦となる韓国との親善試合で活躍した石川祐希――あらためて、プロの道を進むと決めた理由を教えてください。

「大学在学中もイタリアのチームでプレーしてきましたが、『海外を拠点にバレーを続けたい』と、ずっと考えていていました。そうなると、企業に入った場合は海外に行かせてもらえても、何年も続けてというわけにはいきません。長くても2、3年が限界じゃないでしょうか。だから、(イタリアで)プロになる決断をしたんです。

 プロになるといろんなチームで経験が積めますし、感覚や意識も変わってくる。選手として成長するためのメリットが大きいと判断しました。今の日本にはプロの選手が少ないですけど、僕からすればこちらのほうが自然な形です」

――シエナを選んだのはなぜですか? これまで2シーズン所属したラティーナからもオファーはあったと思いますが。

「名門であるラティーナで3年目のシーズンを送る選択肢もあったんですけど、新しい環境でいろんな経験をしたいと思っていたので、チームを変えることにしました。プロ1年目ですし、自分がしっかり出場できるところから徐々にステップアップしていこうという考えもありましたね。

 いろんなチームからオファーがありましたが、シエナは2部から1部に上がってきたばかりのチームで、力のあるメンバーが集まってくる。イラン代表セッターのサイード・マルーフ、日本でもプレーしていた元キューバ代表オポジットのフェルナンド・エルナンデスなど、個性があるメンバーが揃うので面白いチームになるんじゃないかと思います」

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