「ポスト・サオリン」には恐縮しつつ、東レ・黒後愛は全日本入りへ意欲

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 今年1月、高校女子バレー界の名門・下北沢成徳(東京)のキャプテンとして春高バレーに出場した黒後愛は、2年連続でMVPに選ばれる活躍でチームを大会2連覇に導いた。その後、3月に引退した木村沙織と入れ替わるように東レアローズに入団。10月22日のVリーグデビュー戦は、チームは敗れたものの、相手のマークが厳しいなかで12得点を記録する堂々の成績を残した。

 全日本の中田久美監督も、今後に期待する選手として古賀紗理那と共に黒後の名を挙げている。今年3月には全日本に初招集された次世代のエース候補に、初めて挑むVリーグや全日本、東京五輪への想いを聞いた。

東レだけでなく、全日本の次なるエースとしても活躍が期待される黒後東レだけでなく、全日本の次なるエースとしても活躍が期待される黒後
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――まずは、バレーをはじめた経緯を教えてください。

「家族が全員バレーボール経験者だったんですが、姉が所属していたチームの練習についていったことがバレーを始めた直接的なきっかけです。それが小学校3年生のときでした」

――全日本中学選抜のメンバーに選ばれるなど活躍して、進学先に下北沢成徳高校を選んだ理由は?

「いろいろ考えて、自分が一番成長できると思ったのが成徳でした。練習に参加させていただいたときの雰囲気もすごくよかったですし。小川(良樹)先生の指導方針はバレーの指導者をしている父から聞いていて、先生が上から何かを言うのではなく、生徒が自主的にあらゆることを決めていくところに惹かれたんです。また、自分の目標が全日本に選ばれて活躍することだったので、全日本に選出されている先輩方が多い成徳は、目標達成につながりやすい場所なのかなとも思いました」

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