ビーチバレー選手たちの悲痛な叫び。
隠蔽されかけた「不祥事」の顛末 (5ページ目)
競技団体は、スキルや年齢、性別、障害の有無などにかかわらず、すべての人に競技のできる環境を整えることが、大きな使命のひとつである。にもかかわらず、JVAはその競技の普及をも担うトップ選手へのサポートを怠り、なおかつ、そのミスを隠蔽しようとしたとも受け取れる行為を重ねた。明らかに競技団体としての意識が欠如していたと言わざるを得ない。
JVAは、東京五輪ビーチバレーボール競技において、男女のメダル獲得を目標に掲げている。はたして、それは本気なのか、単なる建前なのか。
JVAの主要種目であるバレーボールへのサポート体制は非常に強力だ。人気競技ゆえ、それは当然のことかもしれないが、それに比べると、ビーチバレーボールは余りにもないがしろにされている感がある。今回のことも、バレーボールで起きた"事件"だったら、対処の仕方も違ったはずだ。
現状のJVAの意識、体制では、ビーチバレーボールが東京五輪で結果を出すことも、その後の競技の普及に関しても、それが実現できるかどうかは、はなはだ疑問だ。
冒頭で肩を落として語った選手が、最後にこう言った。
「誰かが責任をとって辞めろと言いたいのではなく、悪いことは悪いと認めて、改善すべきことは改善してほしい。選手は人生をかけてこの競技をやっているし、それを応援してくれる人たちもいる。今は、すべてが東京五輪へつながっていると思っている。協力してがんばっていきたいし、本気で(選手と一緒に)力を合わせられる協会になってほしいだけです」
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