セッター宮下遙「東京五輪が最終目標ではない。その先に人生がある」 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Mikari Nakanishi 坂本 清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi


――5年目の全日本ですが、国際試合の面白さは?

宮下 面白さ......ないですよ! ミスすれば「あぁ......」のため息の嵐ですし、重いです。

――Vリーグとは全然違いますか?

宮下 全然違うわけではないですけど、やはり期待度が違う。チームにいたらチームのためにとか、応援して下さる方のためにとなりますが、国のために!となると、背負うものが大きいです。

――リオ五輪を経験して、掴んだものを教えて下さい。

宮下 もちろんオリンピックを経験できたことはすごくよかったんですが、私の中では最終予選を乗り越えることができたのがすごく大きかった。

 あの大会に関しては、結果のみが求められる。オリンピックの出場権のみ。次につなげるなどと言っていられない大会なので、大会中ももちろんですけど、その前の合宿が始まってからずっと、苦しかった。(出場権を)獲れなかったら、どうしようと考えましたし、直前の中国遠征で、手も足も出ない状態で余計怖くなった。とにかく出場権を獲るまで、自分ができることを何でもやりきろうという気持ちでした。

 だから、タイ戦のような絶体絶命の状態からでも何とか勝ち切れたと思います。そして、その勝ちを活かして切符も獲れました。チームのみんな、スタッフみんなのがんばりもあったけど、私自身も、今までのバレー人生の中で、最終予選前の時間はとりわけ充実して過ごすことができました。

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