Vリーグ男子・東レの優勝に「世界の高さとパワー」を破るヒントがある (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari 坂本 清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

 先週行なわれたファイナル3では、土曜日、ジェイテクトが先勝したが、日曜日は豊田合成が勝ってタイに持ち込み、その勢いでゴールデンセットも取って、ファイナルの舞台に上がってきた。

「何しろ初めてのことなので、何を参考にしたらいいのかわからない。なので、先週のファイナル3を参考にして、1日目に勝っても、とにかく2日目は『昨日は負けたんだという気持ちで臨もう』と選手たちをコートに送り出しました」という小林監督。

 1セット目は東レ、2セット目は豊田合成。3セット目も東レが取り、豊田合成は追い詰められたが、4セット目はエースのイゴール・オムルツェンのサーブが好調で、6点のリードをつけて中盤に入った。このままフルセットに入り、先週同様ゴールデンセットにもつれるのかと思ったところ、米山がブロックでイゴールを止めた。さらに、今季東レの最大の売りである「攻めるサーブ」で徐々に追い上げを図り、19-19で並ぶと、そのままセットをものにして東レが勝利。最後もミドルブロッカー富松崇彰のクイックで、藤井らしいトス回しだった。

 その富松は「藤井はサーブレシーブが崩れても、どこからでもミドルに上げてくるので、サボらずに助走に入っていれば、決めることができる。藤井に活かされていると思っています」とコメント。分析されて、短いトスの時はブロックにつかれやすくなっていたので、トスを高めに修正したという藤井。全日本への意欲について聞いてみると、「バレーボールをやっているからには、ナショナルチームでやりたいという気持ちはもちろん持っています。今度の優勝で自信はつきました。もし選ばれたら、全力でやりたいと思います」と目を輝かせた。

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