2度目のセリエAに挑戦中!
石川祐希が語る「イタリアでの日々」

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  坂本 清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

セリエAに挑戦中の石川祐希に話を聞いたセリエAに挑戦中の石川祐希に話を聞いた石川祐希イタリア現地インタビュー(前編)

 全日本男子バレーのエース、石川祐希は今、世界トップクラスのリーグ、イタリアセリエAに2度目の挑戦中だ。しかし、その道は決して平坦なものではない。

 12月3日の全日本インカレ決勝で、東海大学を破って3連覇を成し遂げた3日後に、イタリアに渡航。11日に最初の試合があったが、ベンチ入りはしていても、公式練習でサーブもスパイクも打たず、まったく出番がなかった。帯同している記者の話によると、故障だという。しかし、詳細はチームから口止めされているので言えないとのこと。この状態が、年が明けて1月8日の試合まで続いた。

 当初は2週間で復帰という話だったので、年明け2週目のホームゲームなら完全に間に合うだろうと踏んで、年末には現地取材のための航空券と宿の手配をした。同じように考えた4組の日本人取材スタッフが、石川が所属するラティーナの1月15日のホームゲームに詰めかけた。

 前日練習では、石川はちゃんとサーブもスパイクも打っていた。ただ、AB戦がメインの練習で、基本的には石川はBチーム(控え組)に入っていた。前の週までジャンプする練習ができなかった選手をいきなりスタメンで使わないのは、当然予測されたことではある。しかし、Bチームに固定というわけでもなく、石川を含め、練習中にメンバーはかなり柔軟に入れ替わり、トスも十分に上がっていた。トスが上がってくれば、石川は平均身長197cmのチームメイトに引けを取らないスパイクを打ちこなしていた。

 気になったのは、レセプション(サーブレシーブ)だ。もともとそれほどレセプションが得意な選手ではない。セリエAの強いサーブ、特にジャンプサーブには苦しめられていた。だが、このサーブを毎日練習で受けられることは、彼にとって有意義な経験であることは間違いない。

1 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る