早くも崖っぷち。エース石川祐希は「自分らしさ」を取り戻せるか (5ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 伊藤真吾/アフロスポーツ●写真 photo by Ito Shingo

 石川は、「自分は自分らしくやっていけたらいいなと思います」と言った。

 では、「自分らしさとは?」と聞けば、若きエースは戸惑い、こう答えた。

「自分のペースでやることです」

 自分のペースとは、失敗を恐れず、思い切りサーブを打ち、来たボールをしっかり打ち切ることか。南部監督の言葉を借りれば、伸び伸びと、大舞台を楽しんでやることなのである。石川が大事にしている言葉のひとつが「チャレンジ」。

 試合後の記者会見。石川はこう言い切った。左ひざにはアイスパックが薄茶色のテープで巻かれていた。

「まだ(試合は)あるので、忘れてというか、切り替えて、あさって(31日)から臨めればいいのかなと思います」

 繰り返すけれど、まだ二十歳である。若き才能の爆発と、いつものガッツポーズとスマイルが見たい。

●バレーボール記事一覧>

    スポルティーバ特別編集
『全日本男子バレーボールチーム
PHOTO BOOK ~コートの貴公子たち~』
詳しくはこちら>>

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る