【バレー】久光製薬のリーグ3連覇を阻むダークホースは? (5ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 浦川一憲●写真 photo by Urakawa Kazunori

 今季から指揮を執る松田明彦監督は、記者会見の席上で他会場の結果を聞いてファイナル6確定を知り、「うれし涙が出てきました」と目を赤くした。バルセロナ五輪正セッターで、すっと男子畑だった松田によれば「女性はどんな細かいことでも、ちゃんと声かけなどをしないと動いてくれないというのを痛感しました」と、眞鍋全日本監督が女子指導者に転向した直後と同じ感想を述べていた。ファイナル6はレギュラーラウンドの順位を持ち越して、上から5~0点の加点が勝ち点に加えられるため、持ち点ゼロの日立はかなり厳しい戦いを強いられる。

 だが、皇后杯では準優勝、レギュラーラウンド第1レグで唯一、久光に土をつけたチームは、たとえ優勝がかなわなくても、どの上位チームを食ってくれるかということだけでも興味深い。そして、もし決勝で中田監督率いる久光と対戦するとなったら、皇后杯に引き続いてバルセロナ五輪、全日本男女正セッター監督同士の対決となる。皇后杯の時は中田監督に軍配が上がったが、今回はどうなるか?

「一度落ちるところまで落ちたチームなので、死んだ気になって戦うだけです」という松田監督が、最終戦で使わなかった栗原恵をどう起用してくるか、セッターは佐藤・細川絢加のどちらで行くかなど采配に注目したい。大穴だ。初戦はレギュラーラウンド4位の上尾メディックスにストレートで敗れた。ロンドン五輪後に出産し、今季から上尾に移籍した荒木絵里香のブロックの餌食となった格好だ。「我々のやりたい攻撃ができず、ミスが出てしまった。また自分たちのバレーを見つめ直し、生まれ変わるつもりで臨みたい」

 ファイナル6初日は、3試合ともレギュラーラウンド上位のチームが下位のチームを破る順当な結果となったが、今週以降波乱はあるか。下位チームにも“意地”を見せてもらいたいところだ。

  

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