【男子バレー】悲願の初優勝へ。名門JTが復活した理由

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • アフロスポーツ●写真 photo by AFLOSPORTS

 4月4日からV・プレミアリーグ男子2013~14シーズンのファイナルラウンドが始まる。ファイナルラウンドに駒を進めたのは、レギュラーラウンド首位のパナソニック、2位堺、3位JT、そして4位に最終戦でセット率ぎりぎりで滑り込んだ東レ。4チームが3連戦で総当たりし、上位2チームによって13日に決勝戦が行なわれる。

 ここ数年、4強の顔ぶれは常に同じだった。しかし、今季はJTサンダーズが8季ぶりに進出を決めた。JTは1930年代に創部され、第1回日本リーグから参加している唯一の男子チーム。非常に伝統があり、かつてはミュンヘン五輪で金メダルを獲った時の司令塔、猫田勝敏も所属していた。

 しかしこのチームには悲願がある。これほど長い歴史を持ちながら、創部以来一度もリーグ優勝を果たしたことがないのだ。それどころか昨季までの7年間は下位に低迷。一昨年のシーズンにはなんと入れ替え戦を経験するまで落ち込んだ。そんなチームがなぜ今季、再び浮上することができたのだろうか。

今季からJTに加入、チームを牽引する越川優今季からJTに加入、チームを牽引する越川優 要因を二つ、挙げることができる。一つは今季から指揮を執る、セルビア人のブコビッチ監督の手腕。クラブチームの監督はもちろんのこと、セルビア代表、エジプト代表など、数々の代表監督を経験してきた。そしてもう一つは、セリエAを3シーズン経験して、サントリーから移籍してきた越川優の存在だ。越川は今季、サーブ賞と日本人得点王を獲得。それぞれで過去の日本記録を塗り替えた。

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