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錦織圭はジュニア時代も今も変わらない 引退した杉山愛の助言も「あ、本当だ」と素直に耳を傾ける (3ページ目)

  • 内田 暁●取材・文 text by Akatsuki Uchida

【無駄がそぎ落とされていった】

 そんな時に杉山さんと錦織は、昔に戻ったかのようなやりとりをすることもあったという。

「私が監督になったこの4年間、圭はケガをしてNTCに来ることも多かったので、会うことも増えたんです。

 そんな時、私が圭を見ていてちょっと気になることがあったので、本人に『ビデオを撮っていい?』と断ったうえで撮影して、一緒に見ながら『ちょっとここの動きが気になるんだよね』と言ったことがあったんです。すると圭も、『あ、本当だ。たしかにこれは気になりますね』って。そういう素直というか、まず一回は聞いてみようというスタンスは、ずっと変わらないですね。

 意固地にもならず、上に行ったからといって周囲をシャットアウトすることもない。ずっと変わらない彼の本質があるからこそ、ああやって進化し続け、どんどん洗練されていったのかなと思います」

 今回、杉山さんにお話をうかがった場所は、錦織が「キャリア最後のグランドスラム」を戦い終えた全米オープン会場だった。

 当時18歳の錦織が、全米オープン3回戦で世界4位のダビド・フェレール(スペイン)を破り、世界にその名を知らしめたのが2008年。なお、その年の杉山さんは、ダブルスでベスト4。シングルスでは3回戦進出を果たし、最終的に同大会を制したセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)に敗れた。

 それら自身の思い出や、種々の感情も染み込む地で、杉山さんは錦織の歩んだ道に思いを馳せる。

「圭は、初めてここ(全米オープン)で試合をした頃などと比べても、階段を上がるように、どんどん進化していきましたよね。動き方も最初の頃は、もっとバラバラしていました。

 それが、トレーニングや練習を重ね、洗練された動きになっていきましたから。無駄がそぎ落とされて、どんどんシンプルになっていく。それでも動くべきところは動いているので、躍動感もある。

 調子の振れ幅も少なくなったので、全盛期の頃は本人が『調子が悪い』と言っても、ほかの選手と比べたら全然悪くないくらいまでになりました。それは彼のベースの力が抜きん出ていたからだし、コントロール能力があったからだと思います」

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