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錦織圭はジュニア時代も今も変わらない 引退した杉山愛の助言も「あ、本当だ」と素直に耳を傾ける (2ページ目)

  • 内田 暁●取材・文 text by Akatsuki Uchida

【印象は「すごくスマートな選手」】

 そんな縁もあり、杉山さんは時間の許すかぎり、錦織の試合を見るようになる。2006年の全仏オープンでは、杉山さんはダブルスで決勝に進出。錦織はジュニア部門のダブルスで優勝。コートサイドで錦織を応援し、優勝の瞬間も見届けた杉山さんは、「お祝いにブランド品のお財布をプレゼントしてあげた」という。

 後日、「なくしてしまいました......」と謝られたのも、今では懐かしい笑い話だ。

 そのように、オフコートではおっとりした少年が、コート上では躍動感にあふれ、一瞬にして見る者を魅了する。

「本当に、将来どれくらいまで行くのかっていうのは、もうその頃......ジュニア時代から楽しみにしていました。同時に、オンコートとオフコートのギャップが彼の魅力のひとつでもあるな、というふうにも思いましたね」と、杉山さんが振り返る。「それは今も変わらないですけれどね」と、優しい笑みを浮かべながら。

「人の意見に耳を傾け、柔軟に取り入れる姿勢も、彼の魅力のひとつですよね。私が現役引退したのが2009年で、圭がプロになったのが2007年。お互いツアーを回っているなかで、1〜2年間は一緒の大会に出ることもけっこうありました。

 その頃の彼はまだ、それこそ飲み物の取り方ひとつ、食べ方ひとつとっても、知らないことばかり。なので、一緒に過ごすなかで、私が助言したこともあったんです。そういう時も彼は、素直な心で私の言葉をすんなり聞いていました。

 もちろん全部が全部、誰の言うこともすべて聞くというのではなく、必要なところを選別して、自分のものにしていた。すごくスマートな選手だなという印象を、その頃からずっと持っています」

 2009年に約17年に及ぶキャリアに幕を引いた杉山さんが、国別対抗戦『ビリー・ジーン・キング(BJK)・カップ』の日本代表監督に就任したのは2022年末。その当時の錦織は、リハビリや調整で日本にいる時間も長かったため、ふたりは東京のナショナルトレーニングセンター(NTC)で、再び頻繁に顔を合わせるようになる。

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