小5の錦織圭を見て「なんや、この子!?」の衝撃 1歳上の伊藤竜馬は「彼なら世界一になれるかも」 (4ページ目)
【熱を帯びた「世界一になりたい」】
「うらやましいと少しは思いましたが、盛田正明テニス・ファンドの奨学生に選ばれるのは本当に数人だったわけで、そのなかでチャンスをつかんだのが錦織くんだった。しかも、そうやってIMGアカデミーに行った日本人の子のなかでも、成功している人は少ないですよね。厳しい環境でホームシックにもなるなか、ハングリー精神が求められると思うんです。
IMGで生き残った日本人は、圭が初めてだった。チャレンジし続ける強い意志があったからだと思います」
伊藤さんの記憶に残る『錦織くん』は、今と変わらず「ちょっと天然っぽくて、若干、内向的な感じ」である。ただ、「独自の間合いや、トップアスリートならではの空間」が、当時からあったとも述懐した。
そして時折、さりげなく口にする「世界一になりたい」というようなひと言に、とてつもない熱が帯びていたとも。
初めて錦織の試合を見た時に、伊藤さんが「なんや、この子!?」と覚えた衝撃。それから年月を重ね、互いを深く知るにつれ、いつしか自然と思えるようになっていたという。「彼なら本当に、世界一になれるかもしれないな」──と。
(つづく)
◆伊藤竜馬の視点(2)>>
【profile】
伊藤竜馬(いとう・たつま)
1988年5月18日生まれ、三重県員弁郡北勢町(現・いなべ市)出身。9歳からテニスを始め、大阪・長尾谷高時代は数々の国内ジュニアタイトルを制し、2006年にプロ転向を表明する。2008年からATPツアー参戦を開始し、2011年の全米オープンにてグランドスラム初出場。2012年のロンドンオリンピック日本代表に選出される。2024年4月に現役引退を発表し、10月でラストマッチを終える。ATPランキング最高60位。ATPチャレンジャー通算6勝。身長180cm。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
【写真】日本女子テニス「6人のティーンエイジャー」フォトギャラリー
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