錦織圭、フォアの威力は回復も気になる肩の具合。USオープンは今後のキャリアを左右する重要な戦いだ (2ページ目)
「(2019年秋に手術した右)手首のケガから復帰して初めてぐらいですね。やっとフォア、バックとミスしないで、ラリーがこんなに長くできる感覚というのは。今年の初めにちょっと戻ってきたなという感覚と今は違って、吸いついてくれるというか何も考えなくても入るというか......」
特に、錦織の最大の武器であるフォアハンドストロークの好調には目を見張るものがあった。ラケットの振り抜きが鋭く、ラケットヘッドが速いためトップスピンのかかり具合もいいうえ、ボールはスピードに乗り、弾んでからの伸びもあり、ショットの威力はトップ10時代を彷彿とさせるものだった。
「フォアは変えようと思って、ウィンブルドンの後から練習でひたすら打つ、振り抜くというのを練習で意識してやるようにしました。もしかしたらそれがよかったかなと。今まで手首のことがあったり、肩もあったりしていたので、それが最近なくなって練習から振り切っていました。たぶん見た目で違うぐらいフォアはよくなったのかなと思います」
ワシントンD.C.で力強く勝ち上がっていった錦織は、2019年ATPバルセロナ大会以来、ツアーで約2年3カ月ぶりにベスト4へ進出。この大会で錦織は、2015年に優勝しており、相性のいい北米ハードコートと好調なプレーがマッチした形になった。
準決勝では、2時間45分におよんだフルセットの末、惜敗。5試合目で疲れは隠せず、持ち前の俊敏なフットワークが最後には鈍ってしまった。気がかりだったのは、錦織が打ち明けた右肩の痛みだった。
痛みが残ったままマスターズ1000・カナダ大会(8/9~15)の1回戦に出場。フルセットで勝ったものの、ウォームアップから試合の最後までサーブが本調子ではなかった。
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