大坂なおみが抱えていた不安。それでも「負けることは許されない」 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 試合後に大坂がこぼした安堵の言葉は、現時点でも、相当な疲労を感じていることの裏返しでもあるだろう。6カ月ぶりの公式戦での連戦に加え、浅い眠りの代償だろうか。左足の太ももに覚えていた張りは、試合のなかで悪化していったという。

 ただ、それ以上に今の彼女は、たどり着いた決勝の舞台での戦いを心待ちにしている様子だった。頂上決戦の相手は、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)。出産や度重なるケガを乗り越え、全盛期のフォームを取り戻しつつある、かつての世界1位である。

 太ももの状態は、本人も気がかりではあるところ。それでも「すごく楽しみ」という試合に向け、彼女は笑みを浮かべて言った。

「ぐっすり眠れさえすれば、きっとよくなるわ」と。

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