伊達公子「私に何ができる?」。
日本女子テニス界の危機に新たな試み (2ページ目)
「今は大坂なおみ選手という、トップを走る大きな存在があるものの、そこに続く選手が出てきていない。その現状に、何か手を打たなくてはいけないのでは......?」
そう思った時に「女子ジュニアの育成に興味が湧いてきた」のは、必然だっただろう。彼女には圧倒的な知名度と発信力、そして「他社のラケットを試打したこともない」ほどに信頼を寄せる、ヨネックス社というパートナーもいる。
それら種々の要因が重なり、ひとつの方向を示した時、彼女の「何ができる?」との自問にも解が出た。
指導する選手は、まだ色がつく15歳前がいい。将来性を見極めるためにも、オーディションで自ら参加者を選考し、隅々まで目が届くように少数精鋭とする。
そのような理念を掲げた『伊達公子×YONEX PROJECT』が、昨年5月に発進した。
書類選考と選考会を経て、4人の第一期生が決まり、東京で第1回キャンプが行なわれたのが1年前の6月末のことである。
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