フェデラーが最前線で感じる
テニスの可能性「今後もゲームは進化する」

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 ロジャー・フェデラー(スイス)が、13年ぶりに日本のテニスファンの前でプレーを披露した。

 10月14日、チャリティーテニスマッチ「ユニクロ ライフウェア デー 東京」が、有明コロシアムで開催され、フェデラーは、ジョン・イズナー(アメリカ)とエキシビションマッチを行なった。当初は、フェデラーと錦織が対戦する予定だったが、錦織が右ひじのけがで戦線を離脱しているため変更となった。

ふたりそろってイベントに参加した錦織圭とロジャー・フェデラーふたりそろってイベントに参加した錦織圭とロジャー・フェデラー 錦織は、子供たちとのテニスクリニックに参加し、左手で子供たちとボールを打ち合う場面も見られ、「楽しかったです」と観客の前で明るい笑顔を見せた。

 また、フェデラーや車いすプロテニス選手である国枝慎吾らが参加した、健常者テニス選手と車いすテニス選手が一緒にプレーするダブルス、いわゆるニューミックスのエキシビションマッチも行なわれ、そこで錦織は即席の主審を務めて、彼独特のマッタリとしたユーモアで観客の笑いを誘った。

 男子史上最多となるグランドスラム20回の優勝を誇るフェデラーは、1998年にプロへ転向して以降、2000年代前半のピート・サンプラス(アメリカ)やアンドレ・アガシ(アメリカ)から始まって、現在のツアーの中心になりつつある"Next Gen"と呼ばれる若手選手まで、約20年間にわたって実にさまざまな世代と戦ってきた。その戦いの中で、ライバルたちと切磋琢磨しながらフェデラーは常に進化を遂げてきた。

「これまでの道のりを振り返ると、すごくハッピーだったと感じるし、本当に幸運だったと思います。さまざまな世代の選手たち、例えば、自分がテレビで見た選手、自分がヒーローだと思っていた選手たちと、自分が成長していく中で出会い、そして世界の大きな大会のスタジアムコートでプレーをすることができました。時にはヒーローたちとロッカールームを共にする経験をしながら、彼らから学び、多くの時間を過ごしてきました。

(勝負の世界だから)さまざまな世代の選手との対峙は、私にとっては決して簡単なことばかりではありませんが、その中で成長できてよかったです」

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