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大坂なおみが失わない
チャレンジャーの姿勢。「私はまだ新参者」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 敗れたアザレンカは、大坂を次のように評価する。

「今彼女は、明らかに自信を持ってプレーできている。彼女のショットはとても重く、フォアもバックも質の高いボールを打ってくる。安定感のあるビッグサーブを持っているし、本当にいいプレーをしている。それが、今いるポジション(世界1位)が彼女にふさわしいことを証明している」

 大坂は、世界1位になってからも挑戦者としての姿勢を忘れていない。この試合でもそれは同じだった。

「今日、私はチャレンジャーでした。彼女(アザレンカ)は、ここで(2013年に)準決勝に進出したことがありますし、私より多くの経験を積んでいます。グランドスラムでも優勝し、世界1位でもありました。私はまだまだ新参者です(笑)」

 また、1回戦、2回戦と連続でのタフな逆転勝ちは、パリでの大坂なおみの人気を押し上げる福音にもなっている。2回戦では、スタンドから「アレ!(フランス語で頑張れ)なおみ!」と何度も声援が飛び、新女王の活躍をパリっ子が歓迎しているようだった。すると大坂は、オンコートでの勝利者インタビューのあと、司会者からマイクを借りて「メルシー!(フランス語でありがとう)」と観客に感謝を伝えた。

 大坂は3回戦で、カテリナ・シニアコバ(42位、チェコ)と対戦する。過去の対戦成績は大坂の1勝0敗だ。

 接戦をモノにした大坂は、この勝利をレッドクレーでのさらなる成長へとつなげ、一戦一戦、着実に力をつけてきている。まだまだ決勝への道のりは長いが、彼女はブレることなくローランギャロスの頂点を見据えている。

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