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錦織圭が逃さなかったツォンガ戦の転換点。
4年で変化した力関係 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

その4年前の珍事に比べれば些細なアクシデントではあるが、今回の対戦での2度のタイムバイオレーションとそれに続くブレークは、この試合のひとつのターニングポイントだったかもしれない。

「あそこが、試合のカギだったか?」

くだんの場面について問われたツォンガは、しかし淡々と答えた。

「いや、それは違う。この試合の『カギ』は、レベルの高さだ。圭は立ち上がりから、すばらしいプレーをしていた。非常にハイレベルな試合だった。そして僕は、このような高いレベルの試合を長いことしていなかった。僕は持てる力をすべて出したが、今日は圭がよすぎた」......と。

 4年の年月は、さまざまなものを変える。当時はまだ若手の部類だった錦織も、今やベテランの領域に足を踏み入れた。

 ツォンガとの9度目の戦いを制した先の3回戦では、今季ツアー初優勝を掴むなど急成長中の、23歳のラスロ・ジェレ(セルビア)と初対戦する。

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