天才少女・奈良くるみも27歳。
悪循環終止符へ「変わらなくていい」 (4ページ目)
「でも、そういうふうに思うと、なんとなく、どこか気持ちが変なところに行っちゃうので......」
10代の頃とさほど変わらぬあどけない笑みで、奈良は自分を俯瞰した。
そんな彼女が今、求めるのは、とにかく、試合数をこなすこと。
「試合数を重ねたら、またいい勝負勘だったり、ガンガンガンと勝ち続ける瞬間が来るのではと思う。なので、そこまで持っていきたいです」
変わらぬ自分に小さな劣等感を抱き、経験が成長を阻害すると感じたこともある。それでも、経験を積み重ねるなかで導き出したひとつの答えが、「自分は変わる必要がない、変わらなくていい」という真理なのでは――? そう思い本人に問うと、「はい、そうですね」とコクリとうなずく。
昔から変わらぬその姿勢と純粋なる向上心で、再び、かつていた場所を目指す。
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