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大坂なおみの決断に元世界1位の見解は。
コーチ変更は珍しくない? (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 今大会に参戦予定だった多くの選手が体調不良やケガを理由に出場を取りやめるなか、ハレプは一途に勝利を追い求めた理由を、「自分に負けたくないから」だと明言した。

「もし全力で戦い、相手のほうが強かったのなら負けても仕方ない。でも、自分から勝利を手放すようなことはしたくない。今の私は、プレッシャーを感じていない。試合を、そして多くのファンが応援してくれる状況も、とても楽しめている」

 それが、2年連続で年間ランキング1位に座した者の務めだとでも言うように、確たる口調で彼女は言った。

 大坂が全豪オープンを制した時、彼女をよく知るベテラン記者は、「世界1位の選手には、女子テニス界のリーダーであることが求められる。たとえあなたが21歳の若さでもね。その準備はできている?」と尋ねた。

 世界の頂点に座した今、彼女が対峙するのはコート上のライバルのみならず、ロールモデルとしての責務を求める声であり、周囲からの期待や好機の目であり、時には厳しい批判の声でもあるだろう。

 その意味でも、今週開催されるドバイ選手権は、彼女の今後を占うひとつの試金石になる。世界1位として最初に迎えるこの大会の開幕に先駆けて、大坂は「もちろん、ここでいい結果を残すことは、最大の目標ではある。でも同時に、今はコーチ変更に伴う移行期間。どんな未来が待ち受けているのか、それが楽しみでもあるの」と言った。

 自身に待ち受ける未来を心待ちにし、変化を受け入れ、周囲の期待や好機の視線を正面から受け止めた時こそが、真の"大坂時代"の幕開けとなるはずだ。

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