大坂なおみが悔やんだあの1本。2連敗も「幸運」の可能性はまだある (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 幸い2連敗の大坂にも、まだグループ戦を勝ち上がる可能性が残されている。もちろん次の試合で、大坂がキキ・ベルテンス(オランダ)に勝つことは必須条件。そのうえでスローン・スティーブンス(アメリカ)がケルバーに勝てば、セット率やゲーム率との兼ね合いだが、かなりの高確率で大坂の準決勝進出となる運びだ。

 大坂のフィジカルコーチのアブドゥル・シラーは、「疲れはあるが、彼女の身体は大丈夫。まだ3試合戦える」と、決勝までの戦いを視野に入れる。

「この大会に出られることは栄誉」だと言う大坂は、「何があろうと、最後まで戦い抜く」と顔を上げた。

 準決勝進出の可否をめぐる命運は、すでに大坂の手を離れている。

 今の彼女が専意すべきは、躍進のシーズンを笑顔で終えるためにも、迫り来る試合で持てる力を出し切ることのみだ。

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