新時代の主役へ躍り出た大坂なおみ。
松岡修造氏も驚く練習内容とは (3ページ目)
さらに、大坂は"頭を使う"テニスを実践した。たとえセリーナにブレークポイントを握られても、大坂は冷静にサーブの緩急やコースを使い分けて、相手のミスを誘うプレーをしてピンチを乗り切った。
決勝での大坂のファーストサーブの確率は73%で、ファーストサーブのポイント確率も73%と安定していた。ミスも14本に抑え、セリーナのパワーショットに打ち負けることもなかった。セリーナは、「驚くべきプレーだった」と大坂を称えた。
「彼女(なおみ)は、本当にプレーが安定していた。いろんなショットを使って、すごく集中していた。私がブレークポイントを握った時は、すばらしいサーブを入れて来た。この試合の彼女から学ぶことがたくさんあった。彼女は優勝するのにふさわしい」
試合後のセリーナとの抱擁で、大坂は自らを「子供のようだった」と振り返り、試合中に、対戦相手のひとりと見ていたセリーナを、再び自分の憧れの存在に戻したかのようだった。
「楽しんでプレーしたけど、同時にとてもナーバスだったし、ストレスを感じた。(子供時代)ここに来て、成長していたように思います。子供の時に、ここで多くの選手がトロフィーを掲げるのを見てきました。今、自分のゴールのひとつを達成できたことは、もう誰にも変えられない」
もちろん大坂のUSオープン初優勝の実現は、今季からタッグを組んでいるバインコーチの存在抜きには語れない。
2017年末に初めてバインコーチに会った時、「彼がいいコーチになるなんて、期待していなかった」と感じた大坂だったが、2人はすぐに意気投合し、バインコーチとともにポジティブでいるように試合態度を改善していった。
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