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新時代の主役へ躍り出た大坂なおみ。
松岡修造氏も驚く練習内容とは (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 コートで対峙しているのは、グランドスラム優勝23回を誇るセリーナ。観客の多くは地元アメリカの選手を応援するニューヨーカーで、彼らが主審や大会関係者らにブーイングする過酷な状況下でも、大坂は落ち着いてプレーするメンタルの強さを見せた。

 また、大坂はコートを縦横無尽に走っても、バランスの崩れないフィジカルの強さも披露した。決して運動量の落ちない大坂が走り勝ち、逆にセリーナは左右に走らされて、足が追いつかない場面もあった。セリーナの心が折れるような大坂の見事なプレーぶりだった。

 松岡氏は、大坂の体つきを見て、今夏までにハードなトレーニングを積んできたことを察した。

「(大坂は)テニスの練習をしている最中に、いきなりダッシュ系をするんですよ。普通は(オンコートでの)練習が終わってからやります」

 練習中の一番苦しい時に、チャンスボールの球出しをして大坂に打たせて、決めさせる練習を、松岡氏は、彼女が練習拠点にしているボカラトンを訪れた時に何度も目にした。あれは、試合でプレッシャーのかかるシチュエーションを想定しての練習だった。

「テニスにおける本当の体力がつくんです。(大坂は)メンタルが強くなっただけではなく、やはり体力もついたんです」と話す松岡氏は、今回のUSオープンの戦いの中で、練習の効果が発揮されたと見ている。

 2週間におよぶUSオープンでの戦いで大坂は、試合を重ねるごとに成長して強くなっていった。我慢しながらのプレーを続け、決してハードヒットに頼り過ぎないことを心がけた。

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