1球ずつボールをもらう錦織圭、ファーストサーブがビュンビュン入る (4ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

「圭は、対戦して一度も勝ったことがない選手だ。たぶんグラスは、彼が一番好きではないサーフェスだけど、すべてのサーフェスでいいプレーができる。素晴らしいリターナーでもあるね」

 こう警戒するキリオスが、時速220km以上を叩き出すサーブを確率よく打てれば、グラスでは、錦織のリターンを上回る場面が多発する可能性はある。

「なるべくストローク戦に持ち込めれば、確実にチャンスは出てくると思いますけど、(キリオスの)サーブがすごいので攻略できるかわからないです。なるべく自分のサービスゲームに集中してやらないと勝てない相手になってくると思います」

 今、錦織はルーティーンのひとつを変えている。いつもはファーストサーブの前にボールパーソンから2球受け取ると、1球はポケットにしまい、セカンドサーブに使っていた。それを、セカンドサーブを打つ前にも、ボールパーソンからもう一度ボールを受け取り、打つことを試している。少しでもいいサーブを打てるような効果を期待しているが、まだ実感はないという。"一球入魂"のイメージでサーブを打とうとする工夫も、錦織がテニスに決して飽きずに進化していくことにつながっているのかもしれない。

◆錦織圭が「友人」を倒して初戦突破。次戦は「問題児」でまたやりにくい

◆今年も期待大。ウインブルドンが大坂なおみに向いているワケ

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