錦織圭がグランドスラム復帰、全仏4強までをシミュレーションしてみた (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 錦織が勝ち上がった場合、2回戦ではベノワ・ペール(50位、フランス)とロベルト・カルバレス バエナ(77位、スペイン)の勝者と対戦する。ペールとの対戦成績は、錦織の3勝2敗。カルバレス バエナとは対戦がない。

 さらに、それぞれが順当に勝ち上がった場合、3回戦からはシード選手同士の対戦が始まる。3回戦では、第12シードのサム・クエリー(13位、アメリカ)で、錦織の6勝4敗。4回戦では、第7シードのドミニク・ティーム(8位、オーストリア)で、錦織の2勝0敗。24歳のティームは、前哨戦のMS・マドリード大会で準優勝しており、クレーを最も得意とする選手だ。

 そして、準々決勝では第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(3位)で、錦織の1勝1敗。21歳のズベレフは、MS・マドリード大会で初優勝し、続くMS・ローマ大会で準優勝して好調をキープしている。

 昨年と比べて錦織はランキングを落としており、全仏では下位シードになるので、勝ち上がると3回戦、4回戦で上位シードを倒さなければならない。この第一関門を突破して、ケガが再発させずに、大会第2週でギアアップできるようであれば、自身初のローランギャロスでのベスト4入りが視野に入ってくるかもしれない。 

「やっぱり久しぶりのグランドスラムは楽しみです。この場にいることが、一番のモチベーションだったり、楽しみだったりする。いい結果を残したいですね。なるべく上に行けるよう頑張りたいです」

 錦織の1回戦は大会初日の5月27日に行なわれる。もし、錦織が今回のローランギャロスで好成績を収めることができれば、トップ10復帰への足掛かりを築くことができ、さらに完全復活を印象づけることもできるだろう。

 そして、今後グランドスラム初制覇を実現できるか――。その力が28歳の錦織にあるのかどうかを見極める、非常に大事な意味もパリでの戦いには含まれている。

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