36歳でも強くなるフェデラー。ケガ続出のライバル勢に止められるのか (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「受け入れるのが本当につらい。ツアーを運営している誰かが、今起こっていることについて少し考えるべきだ。こんなにケガをしている人が多いんだから」と、ナダルはツアーへの苦言も呈している。

 また、右ひじのケガからカムバックした第14シードのノバク・ジョコビッチ(14位、セルビア)も、4回戦の第1セット終盤から痛みが再発して敗れた。

「4回戦で大会を去ることになったが、受け入れるしかない。チームのみんなとすべて再検討しなければならない」と話しており、再び戦列離脱の可能性も囁(ささや)かれている。

 さらに、左ひざの手術から戻り、メルボルン入りしてから出場に踏み切った第9シードのスタン・ワウリンカ(8位、スイス)は、2回戦で敗れた。

「最初は試合ができると思わないでメルボルンに来たのだから、試合ができたことは、自分にとって大きな前進だった。これからしなければいけないことがたくさんあるし、我慢ももっと必要になるだろう」

 そして、右手首のケガから、全豪ではなくATPニューポート・チャレンジャー大会で復帰を果たした錦織圭(24位)、復帰初戦ではフルセットで敗れ、ベストコンディションに戻るまで、まだかなり時間が必要なようだ。

 2017年シーズン後半にツアーから離脱した選手たちは、昨年の全豪決勝を争ったフェデラーとナダルのような劇的なカムバックとはいかず、厳しい現状と向き合いながら再浮上を目指す。

 フェデラーの強さの根源のひとつに、"プレーをし過ぎないようにする"徹底したスケジューリングがある。36歳という年齢もあるが、戦う大会を厳選している。

 自分の目標を定め、優先順位を決めて、注意深くプランニングすることが、成功を収めるために大切だということだ。錦織らカムバック組にも参考になるところがあるのではないだろうか。

「良いスケジュールを組んで、ハングリーな気持ちを維持していけば、たぶん良いことが起こる」

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