伊達公子が全豪オープンテニスを展望「勢いのある杉田くんが楽しみ」 (3ページ目)

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi

 そして、強さを持続しているディフェンディングチャンピオンのフェデラー(2位)を「今のところは可能性が高い」と優勝候補の筆頭に挙げる。

 また、前哨戦のATPブリスベン大会で初優勝した、地元オーストラリアの期待選手であるニック・キリオス(17位)については、その潜在能力は認めつつも、グランドスラム初優勝には物足りなさを感じている。

「オーストラリアって、見えないプレッシャーが大きいのか、地元の選手はなかなか勝てないところがありますよね。ま、調子さえよければキリオスは関係ないかもしれないですけど(笑)。一発のものを持っていても、グランドスラムで優勝するには2週間キープするだけの安定感はないように思います」

 日本女子勢では、大坂なおみ(WTAランキング70位)に注目し、相手が強ければ強いほど力を発揮できると伊達さんは評価する。これに対して、WOWOWで解説を務める松岡修造氏は、大坂の爆発力が発揮されれば、もしかしたらグランドスラムで初優勝できるのではないかという見方をする。爆発力と安定感のバランスをどうするべきなのだろうか。

「それは全体のレベルを上げない限りは、当然ですけど厳しいですね。彼女の強みは、ファーストサーブとフォアハンドストロークの一発があることです。今でも十分パワーがあるわけだから、それが必要な時に決まれば、大きいですね。

 あとは、トッププレーヤーではないけれど同じようなランキングの相手に負けないこと。無駄な力を使わない。まだ(大坂は)トップではないから、パワーを強調させて自分の強みを見せることも大事な時期ではあると思うんですけど、無駄にアピールする必要がない時は温存して、楽に勝てるテニスを覚えた方が、ランキングを上げることにつながる。

 やっぱりツアーでもまれていくと、ミスしてはいけない時はミスできないということを覚えていく時期が必ずきて、その中で戦い方が身についてメンタル的にもレベルが高くなっていく。

 昨年は、一昨年に比べると一発で勝たせてもらえないレベルを見たから、少しずつ我慢強くなる部分も出てきて、一発の出しどころをわかって、メリハリがついてきたように感じます」

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