全豪のシード権も射程に。杉田祐一の「上昇気流」はどこまで続くのか

  • 神 仁司●文・写真 text by Ko Hitoshi photo by Osada Yohei/AFLO SPORT

 まったく思わぬ形で、杉田祐一にジャパンオープン初のベスト8という結果が転がり込んだ――。

 男子ワールドテニスATPツアーの公式戦である楽天ジャパンオープンテニス2回戦で、杉田(ATPランキング40位、10月2日付け、以下同)は、第3シードのミロシュ・ラオニッチ(12位、カナダ)と対戦した。しかし、第1セット第1ゲームのプレー中にラオニッチが右ふくらはぎを痛めた。「歩くことができない」と主審に訴えたラオニッチは、一旦ベンチでトレーナーと少し話した後、再びコートに戻って1ポイントだけプレーを試みたものの、途中棄権を申し出たため杉田の勝利が決まった。

ジャパンオープンでベスト8進出を決めた杉田祐一ジャパンオープンでベスト8進出を決めた杉田祐一

「ラオニッチ選手とは、もう少し試合をしたかったというのが正直なところです」

 こう試合後に語った杉田は、実は1回戦でもベノワ・ペール(37位、フランス)が極度の疲労のため途中棄権していて、2戦連続で相手のリタイアによる勝利を手にしたことになる。

「いやぁ、こんなことがあるんですね」と振り返った杉田は、直前のATP成都大会でもベスト4に入っており、2週連続でのベスト8入りを決めた。

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