全仏ベスト32の大坂なおみ。全英は200㎞サーブでエースを狙え (4ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 「初めてともいえるレッドクレーで、彼女はできる限りのプレーをしました。初めてのパリで、彼女は学ぼうとしていました。ハレプ戦での第1セットはよかったです。とてもポジティブな大会になりました。まだ若いですし、今成長の過程にいます」

 さらに、大坂とは今後の目標について話し合って決めていきたいと語り、当面の目標として、トップ100にとどまり、堅実なプレーをすることを課題に挙げる。

「彼女はトップ選手を倒すことができる武器を持っています。サーブ、スピード、パワー。加えて、安定したプレーができるようになるための技術が必要です。今はポイントを取るために、より安定したプレーに取り組んでいます。そして、トップ選手に必ず追いつけるし、そういう選手を倒せると、彼女が自分自身をもっと信じる必要があります」

 大坂がヴァン グリチェンコーチとどのような化学反応を示すのか見守りたいが、それにしても大坂は大舞台に強い。今回の全仏だけでなく、全豪、グランスラム次ぐグレードのマイアミオープンでもベスト32に入った。テニスで18歳といえば、ジュニアを卒業する年で、一般のプロ大会では、なかなか結果が残せない若い選手が多いものだ。それを踏まえると、大坂の好成績は驚異的だ。

 次のターゲットは6月下旬に開幕するウインブルドンで、初めて本戦を戦う大坂への期待は自然と高まる。

 大坂はローランギャロスでの実り多き経験を経て、一戦一戦確実に強くなっていく。

「みんなグラス(天然芝)ではいいプレーができるはずだと言うの」

 大坂の時速200㎞に迫るサーブが、グラスコートで決まれば、彼女に大きなアドバンテージをもたらすのは間違いない。

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