全豪OP直前。錦織圭と世界トップはどんなオフを過ごしたのか? (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by Getty Images

 その大会で世界7位(当時)のダビド・フェレール(スペイン)、そして14位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)ら相手に公式戦さながらの熱戦を繰り広げた後、ナダルはそのままカタールオープンに参戦している。年が変わってからわずか9日間の間に、こなした試合数は7。決勝ではジョコビッチに完敗を喫したが、「良い大会だったし、自分のパフォーマンスに満足している。この結果はモチベーションを与えてくれた」と明るい側面に目を向けていた。

 新たなシーズン最初の1週間を終え、浮かび上がってきたのは、テニス界を統(す)べる上位勢の強さだ。カタールでは、ナダルをして「テニス史上最高のレベル」と言わしめるプレーをジョコビッチが見せて圧巻の優勝。ブリスベーンでは、ラオニッチに決勝で敗れたもののロジャー・フェデラー(スイス)が準優勝。そしてチェンナイオープン(インド)では、4位のスタン・ワウリンカ(スイス)が未来の王者候補と期待される18歳のボルナ・チョリッチ(クロアチア)の挑戦を退け、新年最初のタイトルを手にした。

 挑む壁は、依然として厚く、高い。テニス界の支配者たちには、油断も慢心もない。その現実を改めて肌身で確認することで、錦織圭の新たな挑戦は、真の始まりを迎える――。

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