【テニス】ジョコに完敗の錦織圭、ベルディヒ戦に勝機はあるか? (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「素晴らしいよ。選手誰もが達成したいと思う目標だ。僕たちにとっては、シーズン初めから最後まで、ツアーファイナルズの出場権を得ることは大きなゴールだからね。圭は、いくつかのケガがあったけど、それを再びやってのけたのだから、よくやったと思う」

 ラウンドロビン(総当たり戦、以下RR)で、錦織は、ノバク・ジョコビッチ(1位)、フェデラー(3位)、トマーシュ・ベルディヒ(6位)と同じグループに入り、初戦の相手は、ジョコビッチとなった。

 今季のジョコビッチは、グランドスラム3冠で、早々と2015年シーズンの年間ナンバーワンを決め、28歳にしてキャリアベストのシーズンを過ごしている。ツアーファイナルズでは3連覇中で、今回も優勝候補筆頭だ。

「ジョコビッチは、どのショットでも打ってこれるし、バランスを崩さないので、ディフェンスもいいですね。特にこの(ツアーファイナルズの)遅いコートで、去年(の準決勝)もそうでしたけど、(ショットを)決めきるというのは、すごく難しくなる。気持ち的にも我慢しながらプレーしないといけない」

 このように警戒をしていた錦織は、直近のマスターズ1000・パリ大会で痛めた左わき腹筋の炎症が80~90%の回復具合で、初戦を迎えた。

 コート上で動きが速く、攻撃的なテニスを好む錦織に対して、「圭は、ベストのパフォーマンスではなかった」と語ったジョコビッチが、ペースを上げたり、遅くしたりと緩急をミックスして、錦織の得意とするプレーを許さなかった。さらにショットの精度が高く、盤石のジョコビッチに対して、錦織は、ファーストサーブのポイント獲得率がわずか43%とふるわず、ミスも22本犯し、1-6、1-6、わずか1時間5分で敗退した。

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