マイアミ大会ベスト8敗退も、錦織圭が自ら驚く進化とは? (2ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 さらに、「リターンゲームで余裕がなかった」と振り返った錦織にとって、イズナーとは初対戦であったことも災いした。

 同じくビッグサーバーであるミロシュ・ラオニッチ(6位)とは何度も対戦しており、その場合、錦織はサービスエースを取られたポイントをすぐにあきらめ、次への切り替えがうまくできている。だが、イズナー戦ではそれができなかった。

 イズナーのようなビッグサーバーに対しては、まずタイブレークに持ち込むことが必要になる。タイブレークでは、1ポイントの重要性が増すため、プレッシャーが増し、相手が力んでサーブの入りが悪くなる場面が必ずあるはずで、そこを錦織が攻撃していくしかない。

 いずれにしても、マスターズ1000大会の準々決勝ともなれば、誰と対戦してもタフであることは間違いなく、今回対戦したイズナーも実力で勝ち上がってきた選手であり、錦織が格下に負けたという表現は適切ではないだろう。

「今週、いいテニスができていた。特にこういう選手(イズナーのようなビッグサーバー)とやる時は、本当にフィフティーフィフティーの試合だと思うので、しょうがないですね。相手が良かったことに尽きます。こういう日もある。ただ、もうちょっと自分も何か工夫ができたらよかったですけど」

 こう語った錦織は、4月6日付けのATPランキングで、5位から自己最高の4位に再び浮上する。昨年のマイアミで準優勝だったラファエル・ナダルが今年は3回戦で敗れたため、3位から5位へ落ちるからだ。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る