ツアーファイナルズ展望。数字で見る錦織圭の可能性
1970年から始まったワールドテニスツアー最終戦は、これまで「マスターズ」、「ワールドチャンピオンシップ」、「マスターズカップ」、そして、「ワールドツアーファイナルズ」と名称を変えてきた。
その変遷のなかで、大会最多6回優勝のロジャー・フェデラーをはじめ、5回優勝のイワン・レンドルやピート・サンプラス、3回優勝のジョン・マッケンローやボリス・ベッカーといった錚々たるメンバーが、現代テニスの歴史の縮図といえるこの大会にその名を刻んできた。
一方で、長く低迷が続いた日本男子テニス界にとって、このツアー最終戦ははるか遠い存在でしかなかった。だがついに、さまざまな記録をつくってきた錦織圭が、アジア男子選手として初めて出場権を獲得するという歴史的快挙を成し遂げた。
ツアーファイナルズに出場する錦織圭ら8選手「(ツアーファイナルズを)目標にしてきましたけど、現実的に考え始めたのは、(準優勝の)USオープンの後からです。クアラルンプール(マレーシア)と日本での優勝が大きなきっかけになって、もっと意識をし始めた。バレンシアを棄権して、結構プレッシャーがかかった中で、パリ(の準々決勝)では、(ダビド・)フェレールに勝たないと、(ツアーファイナルズ出場権が)どっちに転ぶかわからない厳しい戦いだった。それをしっかり勝ち取って、ロンドンに来られたのは、いい入り方なんじゃないかと思います」(錦織)
ロンドンのO2アリーナで開催されるツアーファイナルズは、シーズンの年間成績上位8人だけが出場を許されるエリート大会で、いわば「年間王者決定戦」だ。通常のトーナメント方式と異なり、「ラウンドロビン」(総当たり戦、以下RR)方式で行なわれる。
8人を4人ずつの2グループに分け、RRではひとり3試合戦う。各グループの成績上位ふたりが準決勝に進み、Aグループ1位対Bグループ2位、Bグループ1位対Aグループ2位の組み合わせで試合をして、それぞれの勝者が決勝進出となる。
Aグループ:ジョコビッチ、チリッチ、ワウリンカ、ベルディヒ
Bグループ:フェデラー、錦織、ラオニッチ、マリー
1 / 3