2014.10.08

錦織圭、今季最後の目標・ツアーファイナルズ出場なるか?

  • 神仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

「信じられないぐらいこの勝利がうれしくて、ちょっと涙が出ちゃいました」

 ジャパンオープンで2年ぶり2度目の優勝を決めると、錦織圭はマイケル・チャンコーチやダンテ・ボッティーニコーチらがいる関係者席へ、顔を真っ赤にして号泣しながら駆け上がり、勝利を分かち合うように抱擁した――。

ジャパンオープンで2年ぶり2度目の優勝を果たした錦織圭 大会前、ATPランキングを7位まで上げていた錦織は、ジャパンオープンに第4シードとして臨み、当然のように優勝候補のひとりに挙げられていた。さらに、歴史的なUSオープン準優勝と、前週のATPクアラルンプール大会初優勝直後の凱旋試合とあって、日本のファンの注目度は、かつてないほどに膨れ上がっていた。

 そんな状況下で、プレッシャーを吹き飛ばすかのようなクオリティの高いテニスを披露しての優勝だった。

 錦織には、秋シーズンに好成績を収めたい大きな理由がある。ATPツアーの最終戦「ワールドツアーファイナルズ」出場を目標にしているのだ。

 11月中旬にロンドンで開催されるこのツアーファイナルズは、シーズンの成績上位8人だけがプレーできる超エリート大会で、いわば年間王者決定戦。ノバク・ジョコビッチやロジャー・フェデラーは、ツアーファイナルズをグランドスラムと同等のメジャータイトルと位置づけ、重要視している。もし、この大会に錦織が出場できれば、日本男子選手として初の快挙になるが、同時に、シーズンをとおしてトップレベルで安定した成績を残してきた勲章にもなり、超一流プレーヤーの仲間入りを果たすことになる。

「ロンドンに向けて、今、一番大切な時期なので、ここは500(ジャパンオープンは、ATP500大会のグレードで、優勝するとランキングポイント500点を獲得できる)ですし、どうしても上にいって、大きなポイントを取りたい気持ち、その一心」(錦織)

 だが、クアラルンプールで4試合、東京で決勝までに4試合を戦い、連戦が続く中で疲労が蓄積。錦織は、でん部の右側にトラブルを抱え、100%の状態ではなかった。ジャパンオープンでは、試合中にトレーナーからマッサージを受ける場面が何度も見られた。