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神尾米が語る「クルム伊達が見せたダブルスの極意」

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva photo by AFLO

 ニューヨークで行なわれた全米オープンで、女子ダブルスに出場したクルム伊達公子は、4大大会初となるベスト4進出を果たした。ノーシードから勝ち上がり、準々決勝では第8シードのペアを撃破。ダブルスで見せたクルム伊達のすごさを、元プロテニスプレイヤーの神尾米氏に聞いた。

ストリコバ(左)とのコンビで全米OPベスト4入りしたクルム伊達ストリコバ(左)とのコンビで全米OPベスト4入りしたクルム伊達ダブルスの上手な選手とは?

 まず、ダブルスには基本的に、ネット際に立ってボレーを主に行なう「前衛」と、ベースラインに立ってストロークを主に打つ「後衛」、というポジションがあります。

 ダブルスの上手な選手とは、後衛にいる時には、「前衛のパートナーがポイントを獲りやすい形」を作れる選手です。単にボールを強く打つのではなく、例えば、相手の足もとにボールを沈めていく。そうすると返球が浮くので、前衛がボレーやスマッシュを決めやすくなるのです。その他にも、ロブや鋭角のクロスなどを打ち、自分のパートナーが動きやすい状況を作ることが大切です。

 逆に自分が前衛の時には、相手の後衛が打ったボールに反応して飛び込み、ボレーを打つ能力が求められます。この動きを、「ポーチ」と言います。さらには、実際にボレーを決めるだけでなく、「ポーチに出るぞ」という動きを見せることも大切です。フェイントをかけ、相手のショットをストレートに誘い込んでミスを引き出せるのも、ダブルスの動きの良い選手と言えます。

 あとは、ボールを怖がらないことも重要です。前衛の時は、相手のボレーやスマッシュが至近距離から飛んでくることもあります。しかし、その時に怖がってはいけません。

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