復帰6年目。クルム伊達が日本代表から外れた本当の理由

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi  photo by Ko Hitoshi

 4月20、21日に、スペインのバルセロナで開催された女子国別対抗戦フェドカップ・ワールドグループプレイオフで、日本はスペインに敗れて、世界トップ8のワールドグループから降格となり、2014年にはワールドグループII(8カ国で構成)で戦うこととなった。

奇妙なことに、世界最高峰のグループへの残留がかかった大事な舞台に、クルム伊達公子の姿がなかった。

 実は、クルム伊達自身が、日本代表を辞退していたのだ。

「カンガルーカップ国際女子オープン2013」に参戦したクルム伊達は2回戦で敗退	「カンガルーカップ国際女子オープン2013」に参戦したクルム伊達は2回戦で敗退  2月8~10日にモスクワで開催されたロシア戦で、日本は2勝3敗で惜敗した。この試合直後の夜、村上武資フェドカップ監督に、クルム伊達が次に控えていたプレイオフを辞退したいと申し出たという。

「ただ辞退したところで、選ぶか選ばないかは監督次第です。だけど、私は今後出るつもりはありません、とみんなの前で言いました」

 村上監督は、記者会見でクルム伊達が辞退したことをひと言も語らず、23歳で日本のエースに成長した森田あゆみを中心にしたチームづくりをしていくことを強調した。そして、村上監督が、プレイオフへ向けてクルム伊達に出場要請をすることはなく、日本ナンバー2のクルム伊達を欠いた布陣で、スペインに敗退したのだった。

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