2013.02.14

【テニス】
フェド杯でロシアに敗退。絶不調・クルム伊達の誤算とは?

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi  photo by Ko Hitoshi

フェドカップのロシア戦に出場したクルム伊達公子。 ケガの影響もあり、1勝もできずに悔いの残る結果となった 50周年を迎えた女子国別対抗戦フェドカップ・のワールドグループ1回戦「ロシア vs. 日本」。6年ぶりに世界8強の舞台へ復帰した日本(ITF国別ランキング7位)は、アウェーでの戦いでロシア(同3位)に2勝3敗で惜敗。1996年以来のベスト4進出はならなかった。

 今回、シングルスで2敗を喫したクルム伊達公子は、敗退が決まると、沈痛な面持ちで誰と話すこともなく、目を真っ赤にして遠くを見つめていた。彼女にとって、誤算ばかりのフェドカップだった。

 2013年シーズンのクルム伊達(世界ランキング77位、大会時)はいいスタートを切り、1月のオーストラリアンオープン(全豪)で、現役再チャレンジ後初の3回戦進出。フェドカップ直前にタイのパタヤシティで開催されたWTA大会ではダブルスで優勝し、好調を維持してモスクワ入りしていた。

 現在、日本のエースは森田あゆみ(同57位)だが、森田は42歳で経験豊富なクルム伊達を、リーダーと見ていた。日本代表メンバー4人中、クルム伊達以外の3人が20代前半で、若いメンバーにクルム伊達は次のような希望を抱いていた。

「(若手が)個人戦とは違う緊張感と向き合って、それを越えないといけない瞬間が試合の中にたくさんあるはず。大舞台で、普段出しづらい力を出せる選手が多く育ってきてほしい」

 そして、モスクワ入り後、オリンピックスタジアムの屋内ハードコートで練習を開始すると、クルム伊達の表情は険しいものになった。アウトドアと違って、板の上にハードコーティングされたサーフェスは、ボールの回転によって弾んだり、失速したりと、予測しづらい。これでは、カウンターショットを得意とするクルム伊達にとって、グラウンドストロークのリズムを取ることが難しいのだ。