19歳の五郎丸歩「バカだった」ラグビー日本代表での大失敗 大先輩のレジェンドに「大畑!下がれ!」と呼び捨てで指示 (2ページ目)
【大人と一緒にいるのが恥ずかしい】
しかしながら当時の五郎丸にとって、元木由記雄や大畑大介といった世界的な実績のある代表選手たちとの交流は、新鮮な経験となった。
「元木さんも大畑さんも、ほかのみなさんも優しかったです。元木さんは僕が(空港での)ロストバゲージで荷物がなかった時に、スパイクを貸してくれました。
本当によくしていただいたのですが、19歳の当時はそういう選手たちとの接し方がわかりませんでした。大人と一緒にいるのが恥ずかしいというか、表現方法がわからなかったんです。今でこそ大学生が代表に入ることもよくありますが、当時はあまりなかったので、初めての経験に戸惑っていました」
テストマッチ通算69トライという世界最多記録を今なお保持しており、のちにワールドラグビー殿堂入りを果たすことになる大畑とは当時、こんなエピソードがあった。
「大畑さんから『試合では先輩も後輩も関係ない。だから俺のことは呼び捨てにしてええよ』と言われたんです。それを真に受けた僕は、秩父宮ラグビー場での試合中に『大畑! 下がれ!』と大声で指示したんです。最後尾から大畑さんのポジショニングを見て、もうちょっと下がってほしいと思ってそう言ったのですが......。
その瞬間、みんな『え?』となりました。スタンドからも『おお〜!』というどよめきが起きたのを覚えています。今、振り返ると本当にバカだったなと思いますが、当時は純粋といえば純粋だったんだと思います」
大先輩のレジェンドを呼び捨てにした19歳に、またしても「生意気」というイメージがつきかねない出来事だったが、五郎丸は経験を積み重ねることの重要性を強調する。
「当時は人との付き合い方がわからない僕でしたが、すべては経験だと思っています。こうしてメディアの方々とお話しする時もそうですが、そういう経験を積んで今のように言葉にすることによって、自分の頭のなかが整理されクリアになっていくのを実感するようになりました」
成功も失敗も、前述のような「バカだった」と回想するエピソードも、すべてが成長の糧(かて)になる。若き日の五郎丸は貴重な経験を積み重ね、ラグビープレーヤーとしても人間としてもぐんぐん成長していった。
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