【部活やろうぜ!】五郎丸歩が高校時代にラグビー部で得たもの「技術うんぬんよりも『人として』という部分」 (3ページ目)
【佐賀工の伝統は「泥臭さ」】
── 小城監督の存在は大きかったですね。
「日頃から小城監督が言っていたのは、『ピークは高校じゃない』ということ。佐賀工出身の選手たちは、大学や社会人でしっかりと開花できるような指導を受けてきていると。だからこそ、『高校時代に勝てなかったとしても、それは問題ではない』と常々おっしゃっていました」
── 親元を離れて佐賀に来て、小城監督は父親代わりのように見えます。
「本当に、親父みたいなものですよ。休みの日も『風呂に行くぞ』『飯に行くぞ』と気にかけてくれていました。高校時代は親父よりも長い時間、一緒にいましたね。本当に濃い3年間を過ごさせていただきました。
高校を卒業したあとも、大学選手権の決勝やヤマハ発動機に入団する時など、人生の節目で声を毎回かけてくださいました。先生というより、親父みたいな存在です。ずっと私を支えてくださっています」
── 佐賀工の先輩として、後輩の試合は気になりますか?
「佐賀工の試合は今でも見ていますよ。小城監督から『試合があるから見てね』と電話もかかってきますし。我々の時代では考えられなかったですが、女子部員もたくさん入部していますし、大学でも佐賀工出身の若い選手たちが育ってきています。ただ、佐賀工の伝統である『泥臭さ』みたいなものはずっと持っていてほしいな、という思いもあります」
── 佐賀工の後輩にエールをお願いします。
「佐賀工は県立高校ですけどグラウンドが人工芝になるなど、環境面もすごく整ってきています。子どもたちの人口が少なくなり、都心に人が集まっていく傾向のなかで、私立校でもないのに地方都市で強豪校を作り上げるのは難しいことだと思います。
それでも、佐賀工は人を大事に、その先の成長まで面倒を見る高校です。佐賀工らしさを忘れずに、花園優勝にチャレンジし続けてほしいですね」
(つづく/文中敬称略)
◆五郎丸歩・後編>>「アゴを骨折して鼻から流動食を入れてトヨタに勝った」
【profile】
五郎丸歩(ごろうまる・あゆむ)
1986年3月1日生まれ、福岡県福岡市出身。3歳からラグビーを始め、佐賀工業高校時代には3年連続で花園に出場。早稲田大学では1年時よりレギュラーとして活躍し、大学選手権優勝も経験する。2008年、ヤマハ発動機ジュビロに入団。2016年はフランスのトゥーロンやオーストラリアのレッズでもプレーし、2021年シーズンで現役を引退。日本代表通算キャップ57。日本代表テストマッチ最多得点記録保持者。ポジション=FB。185cm、100kg。
W杯ヨーロッパ予選、クラブW杯
2025明治安田Jリーグ、セリエA、ラ・リーガ、リーグ・アン、ベルギーリーグはDAZNでライブ配信!
「DMM×DAZNホーダイ」なら1,270円お得!
U-NEXTでE-1選手権、プレミアリーグ、ラ・リーガ、FAカップやコパ・デル・レイなど配信
下記リンクよりお得に「サッカーパック」を視聴!
著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。
【ラグビーW杯フォト】日本代表「ブライトンの奇跡」プレイバック(23点)
3 / 3