ラグビー日本代表12年ぶりウェールズ撃破 抜擢された石田吉平が躍動「一生、記憶に残るファーストキャップ」 (2ページ目)
【超速ラグビーに必要なスピード】
試合後の石田は、晴々とした表情だった。
「エディーさんに『ウェールズとの試合はラスト10分で決まる』と言われていた。後半、相手の足が止まることはわかっていた。ミスも多かったですが、(2トライ差で)踏ん張れてよかった。一生、記憶に残るファーストキャップやった」
15人制では初キャップだが、石田はスピードとステップを武器に高校(常翔学園)時代からセブンズ(7人制ラグビー)で世界の舞台を数多く踏んでいた。明治大3年時には大学生で唯一、東京オリンピックにも出場している。
キャプテンとなった明治大4年時は15人制に専念したが、大学選手権は準々決勝で敗退。その後2年間はセブンズに専念し、昨年のパリオリンピックではキャプテンとして2度目の出場を果たした。
そして2024-25シーズン、石田は所属する横浜キヤノンイーグルスで社会人となって初めて15人制の試合に出場し続けた。チームはリーグワン8位と低迷したが、石田は18試合中17試合で先発し、エースとして11トライを挙げて気を吐いた。
昨年から「超速ラグビー」というスローガンを掲げ、スピードのある選手を探していたジョーンズHCが、石田の存在を放っておくはずはなかった。ただ、石田は初めて15人制の日本代表の招集に応じるか、再びセブンズの日本代表に戻るか、悩んだという。
最終的に、石田は15人制で世界と戦う道を選んだ。
「せっかくの機会なので、チャレンジしようと思った。15人制でのテーマは、自分のサイズに抗って、尖って、世界と戦えるか。このサイズでどれだけできるか、世界で証明できるか、それを考えて15人制を選びました。
今までやってきたパフォーマンスを評価していただいたので、いけるところまでいきたい。僕が15人制で活躍したら見ている人も面白いし、勇気を与えるプレイヤーになれたらいいな。与えられたチャンスを100パーセントでやったら、新しい扉は開けてくる。今を大切にがんばりたい」
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