大西将太郎は打倒・関東を貫いた「花園の申し子」 ワールドカップ連敗記録を止めた同点キックは語り草 (4ページ目)
【ラグビーは大西のすべてだった】
花園でブーツを脱いだ日、大西はこう語った。
「いつかはこんな日が来ると思ってはいましたが、さよならはさみしいものです。しかし、悔いはありません。毎日、毎試合、出しきってきたので」
約30年間の現役生活、すべてを出しきった大西に「後悔」の二文字はなかった。そして、こう締めくくった。
「ラグビーは大西のすべてだった」
夕闇のなか、「花園の申し子」はスタジアムをあとにした。
著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。
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